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2022年、耳にすることが多い『ウクライナ』。以前は日本人にとって、ウクライナはあまり身近な国ではなかったと思います。

今回、ウクライナの伝統的な卵細工である『ピサンカ(プィーサンカ・Pysanky)』を実際に作れる機会があったため、参加してきました。

日本ではあまり馴染みのない『ピサンカ』の実際の作り方や、使用する色の意味・シンボルが表している意味も学んできたので、ご紹介します。



1.ウクライナの伝統的な卵細工ピサンカ(プィーサンカ、Pysanky)とは

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ウクライナにおいて、蝋結染め技術で装飾された卵のすべては『ピサンカ(プィーサンカ・Pysanky)』と呼ばれるそうです。蝋結染め技術の多少の差異があり、その差異によって名称も異なっていることもあります。wikipediaによると、ピサンカの他にクラーシャンカ・クラーパンカ・ドリャーパンカと呼ばれる地域もあるようです。

今回、私が作ったのは、ピサンカ(プィーサンカ)と呼ばれているもの。
現在住んでいるアメリカで、ウクライナ人から学んだというピサンカ歴30年のおばあさんから教えてもらいました。

↓ピサンカ作りに使用した蜜蝋。革製品の保護に使用しているものと同じでした。
ラナパーが我が家も財布や革の鞄の保護に使用しています。



2.ウクライナの『ピサンカ』の作り方

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作り方は色々あるようですが、今回は実際に私が作ったウクライナの卵細工『ピサンカ』の作り方をご紹介します。

必要な材料は
  • キスト(絵柄を描くための専用ツール)
  • 蜜蝋 ( 黒の粒状ワックス)
  • ろうそく
  • 染料(数色)
  • キッチンペーパー
  • 卵が転がらないように置いておく場所
  • 描きたいデザインの下絵
  • アクリルスプレー
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↑私が実際に教室で使用した道具
全体の流れとしては
  1. 中身を抜いて乾燥させた卵を用意する
  2. 卵の穴をワックスで埋めておく
  3. 卵に書くデザインを準備する。鉛筆で1色目の線は下書きしておく。
  4. ロウソクで卵に線を書くための『キスト』と呼ばれる専用ツールと黒の粒状ワックスを準備する
  5. キストに1,2粒の粒状ワックスを入れてろうそくで溶かし、紙にキストで線を書いてワックスが出てきたら卵に線を書く
  6. 1色目のデザインが描き終わったら、染料に卵をつける
  7. キッチンペーパーで余分な染料を拭きとる
  8. 次の色のデザインをキストを使用して描き、描き終わったら2色目の染料に卵をつける
  9. キッチンペーパーで余分な染料を拭きとる
  10. ⑧⑨を希望する色数繰り返す
  11. 卵をロウソクに近づけて、少しずつワックスを溶かしてはキッチンペーパーで拭くことを繰り返してワックスをすべて取り除く。この時、卵の穴を埋めていたワックスも取り除く
  12. 1日置いた後、退色を防ぎ耐久性を上げるために、アクリルスプレーをかける
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↑白い卵に1回目のワックス付けを行った状態

卵は、後で中身を抜く方法と先に中身を抜いておく方法があるようですが、私の習った方法では先に卵の中身を抜いていました

「卵の中にスポイトを使って空気を入れると、内圧が高まってスポイトを抜いた後に自動で出てくる」と先生は言っていました。中身を抜いた後も、スポイトを使って水を入れて洗浄するそうです。
教室では、既に中身を抜いて洗浄された卵を使用しました。

教室では全員同じデザインと色を使用。
2時間半のクラスで、白・黄色・青・黒の4色を使用したピサンカを作りました。

私の作ったピサンカの作業工程は以下の画像のとおりです。

白(卵の色)
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青の染色液につけた後
75
緊張で汗ばんだため、手に染色剤がついて少し色が剥げている部分も・・・
15
黄色の染色液につけた後
65
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黒の染色液につけた後。持ち帰り用に空の卵の容器を持ってきていたので、途中から先生に染色液につけてもらいに行く際には、色が手につかないように卵の容器に入れて持ち歩きました。
夏など暑い地域は、卵の取り扱いに注意が必要そうです。
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卵の中身を抜くための穴も、染色の最終段階までワックスで穴を埋めています。
この状態から、全体のワックスをロウソクで溶かして拭き取って完成です。

↓卵の中身を抜くために使用するスポイトは、こんな感じのものでした。

↓10年間で3度目のアメリカ勤務の我が家。行き来する中で、「絶対日本で買いたい物!日本の産業で守りたいもの」ははっきりしてきました。
薗部産業の味噌汁椀の丸みは、持ったときに毎回幸せな気持ちにしてくれます。3度目の渡米前に購入。航空便で送りました。


3.私の作った、ウクライナの『ピサンカ』

私の作った、ウクライナの卵細工『ピサンカ(ピサンキ)』のワックスを取り除いた状態はこちら。
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アクリルスプレーは現在まだ入手できていないため使用していません。

私の参加した教室は、アメリカの公共施設で行われる無料のものでした。
私以外、1人だけ40代ぐらいのアメリカ人がいましたが、その他は明らかに60代70代の白人のおばあちゃん(アジア人・黒人なし)。

おそらく、こういった細かい作業は日本人やアジア人のほうが得意かもしれません。
日本人的には真っ直ぐではない線も
「なんであなたはこんなにまっすぐに線がかけるのか?」と先生のご主人。
そもそも先生の書いた下絵のドッド(水玉)の数が場所によって3つになったり4つになったりすることも、日本人的には気になりました。下絵どおりではなく、私はすべてのドットの数を同じにしました。

2時間ほどで1つ作れるため、ウクライナの卵細工『ピサンカ』は日本人には向いている工作(クラフト)ではないかと思います。
出来上がったものも、場所を取らず。
私は過去に作ったものを含めて3つのピサンカを持っていますが、クリスマスにツリーに飾ったりイースターのときに飾ったりしています。

↓アメリカに引っ越してはじめにもらったクラフトが「マクラメ」。子供がサマースクールで行ったDIYのショップでもらってきました。
アメリカでもポピュラーなクラフトのようです。


4.ウクライナの伝統的な卵細工『ピサンカ』で使用する色とシンボルが意味するものとは?

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↑私の行ったウクライナの伝統的な卵細工『ピサンカ』教室で先生が配ってくれた紙。
渡米1ヶ月なので、全文は訳せませんが気になる方は読んでみてください。


私の行ったウクライナの伝統的な卵細工『ピサンカ』教室で先生が配ってくれた紙には、
ピサンカで使用する色の持つ意味」と「シンボル(象徴)が意味するもの」が書かれていました。

訳すと
色の持つ意味は
  • 白:ピュア・無垢
  • 黄色:知恵・霊性
  • 緑:春・若狭:新鮮
  • 青:空・魔法・健康
  • オレンジ:パワー・忍耐
  • 赤:太陽・幸せ・愛
  • 茶色:地球・豊穣・母
  • 黒:記憶
シンボル(象徴・記号)が持つ意味は
  • 太陽:暖かさ・春・善良
  • リボン:無限大・永遠
  • 花:愛・奉仕・善意
  • 星:成功・幸運
  • 鳥:成就・豊饒(繁殖力)
  • 鹿:繁栄・健康
  • ネット(網):知識・母性
  • 三角:三位一体(キリスト教でよく使われる表現だそうです)
  • ドット(水玉模様):人魚の涙(Mary's tear)
  • クロス(交差・十字):世界の果て、地の果て
(翻訳ソフトを使用。英語が苦手なアラフォーです・・・)

今回、私が作った「ピサンカ」は
色は黒・黄色・青・白を使用し、シンボルはドットやリボンを使用(先生が表現として使っていました)。
花が描かれているようにも見えます。

先生が作成したデザインですが、先生なりに意味が込められているものと思われます。

ピサンカの画像は、インターネット上にいくつも紹介されています。
卵自体が小さいためデザインを真似することも難しくないため、是非興味のある方はチェックしてみてください

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