2021年7月に、熱海で大規模土砂災害が発生しました。
行方不明者の無事を祈るとともに、被害にあった方のご冥福をお祈り申し上げます。
私自身も、10年ほど前に実家にて被災。
小規模でしたが大雨による川の氾濫、土砂災害を経験しました。
その経験と被害の規模、その後の復旧や行政による対応、気をつけておいた方が良い点を経験談としてお話します。
1.土砂災害は突然に。災害の起こった地形・季節
10年ほど前の8月。お盆前のことでした。
夫は長期出張中。当時正社員で育休をとっていたこともあり6ヶ月の子供と実家に滞在していました。
実家は田舎。
イノシシも出ますし、食べます。
山の麓にあり、実家より上は畑や田んぼです。
登山道になっているため、普段は地元の人が毎日登るようなそれなりに整備された山だと思います。
川は、山からの湧き水・雨水が流れてくるぐらいなので、
- 山から流れてくる水用に完全に舗装された幅2m高さ1.5mぐらいの小さな川。
- 幅20cm高さ30cmぐらいの農業用水用の側溝
しかありません。
農業農水用の側溝は、使用しない時は流れないようになっています。
川も、普段は水深2cmぐらい。
子供が長靴で遊んでいます。
大雨の日や台風の後、私は子供の頃からこの川と下流にある大きな川(有名)を見に行っています。
雨の多いときでも水流が早いだけで、小さな川は深さは30cmもありません。
農業農水用の側溝は、使用しない時は流れないようになっています。
川も、普段は水深2cmぐらい。
子供が長靴で遊んでいます。
大雨の日や台風の後、私は子供の頃からこの川と下流にある大きな川(有名)を見に行っています。
雨の多いときでも水流が早いだけで、小さな川は深さは30cmもありません。
災害の前の天気は覚えていませんが、時期的に台風は数回来ていたと思います。
前日から雨は降っていましたが、いつもどおりだったため全く気にせず就寝しました。
2.夜中の大雨。避難指示は出ていたのか
当日は2階で寝ていました。
夜中に凄い雨音で目を覚まし、外を見ると大雨。
少し離れたところに街灯があるのですが、雨がすごくて何もよく見えず。
この時道路が見えていたら道路が川になっていたのに気づいたと思うのですが、
夜中の大雨では部屋からは何を見えませんでした。
窓を開ければ見えたのかもしれませんが、6ヶ月の子供も横で寝ており、雨が吹き込むので開けることがしませんでした。
母は1階で寝ていましたが、雨戸を閉めているため外も確認できずそのまま寝ていたそうです。
後で聞いたことでしたが、
その時避難勧告のために消防の方がベルを鳴らしたりドアを叩いたりしたそうなのですが
当時家にいた母、私、弟、
全く気が付きませんでした。
特に弟はこの頃学生で夜遅くまで起きていることも多く、反乱して水が流れた道路側の部屋でしたがそんな弟でも気づかなかったそうです。
近所の人が2m幅の川の横に住んでおり、その人は川のカーブのところからカーブを曲がれずに勢いよく吹き出している濁流を見ていて寝られなかったそうです。
結局私の地区で避難したのは、老人夫婦1組だったようです。
3.災害に気づいたのはいつか
次の日は快晴。
母がゴミを捨てに外に出たら、
母「道路が砂だらけよ~」と軽く言っていた気がします。
私が裸足にサンダルで外に出ると、あちこちが砂だらけ。
長靴に履き替えて坂の上にある畑を見に行くと、そちらは水が捌けきらず水に浸かった状態でしたが、土砂の問題はなし。
災害だと気づいたのは、友人(幼馴染)から連絡があり
「家の1階が沈んだ」と連絡があったからでした。
友人宅は夜中に浸水しだし、2階に避難しましたが階段を水が上がってくるので眠れない一夜を過ごしたそうです。
4.被害の状況
この図が、実家付近の簡略図になります。一部の情報は削除しています。
山の上部で土石流が発生。
幅2mの川を流れてきたものの、カーブで曲がれずそこから土石流が道路及び民家へ。
小さい川ですが何度も曲がっているため、そのたびに溢れ出ました。
私の近所で一番被害を受けたのは友人宅。
残していた昔の家も浸水し、2軒とも被害に。
乗っていた車(プリウス)は動かなくなりました。
幸い、友人は災害時も保障してくれる保険に入っていたため、無事保険で新車のプリウスになりました。
この地図だと、上から下に向かって坂になっています。
実家(ピンク)の前に側道があるため、こちらにも扇状に水が広がりました。
我が家の向かい側の家、坂でいうと上にある家の方が被害が少なかったです。
実家は側道側を駐車場、それも砂地のままにしていたので、車の下に土砂が堆積しました。
私は当日、実家の前に車を止めていたのですが、コンパクトカーのマフラーの半分ぐらいに砂が溜まっていました。
(ちなみに、この後復旧のために車が邪魔だったためどけましたが、問題なくエンジンは動きました)
また、図で黄緑色の家も浸水被害を受けました。
この家より上部の実家や他の家は大きな浸水被害はなし。
何故この家だけ被害を受けたのか。
実家や他の家は、川の水が流れた道路側に少し高めの壁があるか、道路から家が離れていました。
黄緑色の家は水の流れてくる方向に家の壁面がなく道路からの距離も近かったため、水がそのまま家に入りました。
こういった家の被害は、実際に災害にあってからではないと想定できないものでした。
家の近くにカーブがある方は、注意が必要です。
5.復旧作業に参加
同じ地図ですが、再度載せておきます。友人宅の復旧作業を手伝ったのは、当日は私のみ。
あちこちで災害が起こったため、命があるだけましですが当日はなかなか復旧の人でが集まりません。
田舎だと老人ばかりで、手伝える人も少ないです。
出来る作業からということで、旧宅(平屋)に置いていた着ていない服等をすべて出したり、敷地内に溜まっている土砂をスコップでどけたりという作業をしました。
上に載せた図で、「川が道路下を流れる区間」と書いています。
川の上に道路があるのですが、道路の真ん中にグレーチング(よく側溝の上に置いているような格子の金属性の物)が置いてあり、普段からでも川の流れが確認できました。
これの1m×0.5mほどの大きめのものです。
これが、今回の災害で全て流されました。
そのため、道路の真ん中に穴が開いた状態です。
昔からの家が多くて畳を使用していることが多く、その全てが災害でだめになりました。
そのため、この穴の上に畳を置いてしばらく塞いでいました。
災害時は、見えないところに穴があるかもしれないので要注意です。
落ちたらしばらく道路下を流れることになるので、かなりの恐怖です。
また、図で◎大きな川への合流地点、と書いています。
ここから大きな川の水が逆流しました。
そのため、小さな川の水が流れなくなり、上部で氾濫しました。
この逆流現象は町内全域で起こり、平野部でも家が浸水。
あちこちで浸水被害が起こりました。
幸い、人的被害はありませんでしたが、ペットショップで1階にいた動物が全て死んでしまったそうです。
ペットショップのあたりは川もないのですが、地形的に少し下がっています。側溝の水が流れず、溢れたものと思われます。
実家のあたりの被害は川の氾濫なのでわかりやすいものでしたが、町内の意外な場所で浸水被害が起こっていました。
実家の前の道路は土砂が残りましたが、砂が全てサラサラ。
よく映像で見るような泥や重そうな土が、実家あたりでは全くありませんでした。
不幸中の幸いだったと思います。
友人宅は畑を流れた濁流が流れてきているため、泥が多かったです。
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6.その後の行政の対応
再度地図を載せておきます。
黄色の友人宅は、翌日から市の職員やボランティアの人が来て、復旧作業にあたりました。
浸水して使えなくなった大型家電等は行政が引き取ってくれるとのことで、あちこちから出た大型ごみが山積みになっていました。
友人宅の近くを流れる川は、護岸工事が行われて壁が2倍ぐらいの高さになっています。
普段水深10cmあるかどうかなので見た目は大げさですが、それぐらいないと被害は防げないのでしょう。
実家付近でも川が溢れましたが、こちらは変化なしです。
川沿いには家も建っていないため護岸工事をしてもらっても良いかもしれませんが、
- 実家付近は重機を持っている人と住民で当日中に復旧させたこと(土砂のみ、行政が取りに来ました)
- 大きな浸水被害がなかったこと
- 行政に言う人がいなかったこと
により、対応がなかったものと思われます。
この災害の後、大きな土砂は取り除かれましたが、サラサラの砂だったためアスファルトの隙間に入った砂は取り切れず、しばらく砂が空中を舞っていました。
私は子供が6ヶ月だったため気になり、市役所に[なにか対応できないか聞いたところ、
砂は、ある程度雨が降って自然に流れるしかないようでしたが、土砂による汚染もあるのでそちらは対応できるとのこと。
家の床下等の除菌作業を行ってもらえることになりました。
自身は災害は初めてでしたが市では色々な経験があるため、気になる時は相談したほうが良いと思います。
.
7.現在の状況・被災して思うこと
↑こちらは参考画像ですが、実家付近とそっくりで、崩れてよく通行止めになります。
今回の熱海の災害を目にして、改めて実家付近及び現在の自宅付近のハザードマップを確認しました。
実家付近は見事に
土砂災害の危険性が高い区域のど真ん中。
学区内も山が多いので、住宅地でも斜面に家が建っているところは全て危険性が高いと真っ赤でした。
中学校は危険性大の山の中に建っているため、避難場所は小学校か大きな公園。
2つとも大きな川沿いなので、溢れることはないと思いますが不安な地域です。
ちなみに、よく地名には危険度を表していることがあると聞きます。
水害だと「池」「川」「河」「滝」「堤」「谷」「沼」「深」「沢」「江」「浦」「津」「浮」「湊」「沖」「潮」「洗」「渋」「清」「渡」などサンズイのはいるものが危ないそうです。
実家の地名は、全く危険性がわかるような名前ではありません。
ただ、町内だけで使われる班名には「浜」が入っています。
この班名は引っ越してから町内会に入ることでわかるものです。
転勤族等で新しい土地に住む方は、町名だけではなく地域独特の呼び名のも注意をしたほうが良いかもしれません。
実家付近で起こった土砂崩れは、行政により直されたそうです。
ただ、奥地過ぎて自分では確認できず、googleマップでも途中から川が山に入っているので確認できません。
そのため、安心していいのかわかりません。
また以前のように大雨が降った場合に備え、しばらくは近所の人は土のうを用意していました。
ただ、土のうは定期的に入れ替える必要があるため、両親は準備せずでした。
年寄りが多く人的被害もなかったため、住み替える人もいず特に対策もしないまま暮らしています。
熱海と同じように、メガというほどではありませんが知らない会社がソーラーパネルを大量に設置しています。
あまり気にしていなかった地域の変化に気を配るとともに、災害があった時の行動や「自分の身にも起こるかもしれない」という意識は大事だと思います。
母は、パジャマを使用せずいつでも逃げられる服装で就寝。
常に貴重品の入った鞄を頭のそばに置いて寝るようになりました。
しばらくは、靴も枕元に置いていました。
少しの工夫でも、災害にあった時には役立つと思います。
皆様も、改めて自分や周りの人の環境を確認し、少しでも災害は大変だということを知っていただければと思います。
本日もお読みいただき有難うございました。
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